構造特徴・概要 |
仁比山神社の祭典である「大御田祭」に奉納される豊作を予祝する御田舞である。12年に一度の申年の4月の初申の日から13日間にわたり行われる。御田役者と呼ばれる勅使1人(最年長者)・当造1人(老人)・座奉行2人(壮年)・種蒔1人(青年)・種荷1人(少年)・田打6人(青年)・代踏1人(青年)・田童6人(少年)・斧渡2人(少年)・鬼舞2人(青年)・鼓打6人(青年)・太鼓打2人(青年)の48名のすべて男性の役者で構成される。本来は、申年生まれの男性が仕来りであった。仁比山神社境内と下宮である十禅寺社境内に専用の舞台が建てられる。舞は、勅使の合図により始まり、御田役者が舞台に上がる。鼓打ちの鼓から、苗代を作る田打の舞、苗代に種をまく種蒔が種荷より種もみが入った福桶を受けとり種を播く。続いて、代踏と田童による代踏と田植の所作である大空の舞となる。最後に、鬼舞による斧取・斧振手・髭取手・面係手・仰見・腰払などの所作による地中の害虫を駆除する鬼舞で終わる。所要時間約1時間30分の舞である。その起源は不明であるが、中世までさかのぼると考えられ、口伝により現在まで伝承されている。 現在、仁比山神社の御田舞保存会により継承されている。 |
現状 |
現在、仁比山神社の御田舞保存会が結成され伝承されている。なお、役者となる子供たちが少子化に伴い少なく、仁比山地区の子供たちだけではなく近隣地区の子供たちも含めた役者が決まられている。 |
背景・由来・伝承 |
寛永20年3月6日付仁比山社祭礼入具覚書に、御田舞の費用として米10石・銭10貫文・銀子1貫500目などが計上されていることが記されており、藩より公認され、御田舞稽古期間の御田役者は、公役を免除されている。 佐賀県内では、仁比山神社の御田舞と鳥栖市四阿屋神社の御田舞の2例が伝承されている。 |