構造特徴・概要 |
基壇・基礎・中敷茄子・台座・塔身・屋根で構成される。基壇は、通称赤石と呼ばれる赤色の石材を二段に組む。基壇上面には前面に多数の杯状穴が穿たれている。基礎は、平面方形で上半部は三段に段を形成する。中敷茄子との接合部は、現在コンクリートで補強されている。基礎の左右側面に、施主・大宮司・石工名が彫られている。中敷茄子は、平面四角形で側面は丸く整形加工されている。四隅の角部には、縦方向の線刻による瓜文風の装飾を持ち、正面には花頭文の格座間を設け内部には牡丹文?を施している。台座は平面方形で、下部は4段に整形加工されている。上半部に格座間を設け、右半分に二猿を左端部に鶏?と思われる意匠が彫られている。塔身は、三枚の板石を組合わせる構造である。内部正面に一面六臂で鬼を踏みつける目を大きく見開いた青面金剛を肉彫りする。頭部は総髪で正面に蜷局を巻く蛇が彫りだされている。手腕の右手に剣を左手に羂索を持つ。右上の脇手に戟を右下の脇手には矢を持つ。左上の脇手には輪宝を右下には弓をそれぞれ掲げている。左右側壁には眷属である童子像が半肉彫りされている。本来は、両開きの扉が付いていたが、破損のためため、現在は取り外されている。扉の内側には、上下二段に眷属が彫られている。屋根は、入母屋造で正面に唐破風が付く。唐破風の正面に「庚申天」と彫られる。上部には左右一対の鬼板がある。大棟の妻側には獅子口が付き、切妻部には懸魚が彫られている。 |
規模 |
【全体規模】高:229.0㎝・ 幅:107.0㎝・ 奥:108.0㎝ |
製作・建立者 |
施主:田中元泰豊隆・古賀平左エ門良致 ・一番ヶ瀬卯兵衛■徳・樋口政右エ門廣信 ・吉岡銀八高澄・佐野順助惟定・今泉理七清馬・山田清十貞次・大嶋正次左エ門秀勝 ・加茂貞右エ門經雅 大宮司:牟田若狭正宗吉 石工:江頭弥左エ門 |
銘文 ※1、※2 |
【屋根面額】 庚 申 天 【塔身左面】 寛政七乙卯十二月吉日 【基礎左面】 施主 田中元泰豊隆 古賀平左エ門良致 一番ヶ瀬卯兵衛■徳 樋口政右エ門廣信 吉岡銀八高澄 大宮司 牟田若狭正宗吉 石工 江頭弥左エ門 【基礎右面】 佐野順助惟定 今泉理七清馬 山田清十貞次 大嶋正次左エ門秀勝 加茂貞右エ門經雅 施主
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