神埼まちあるき(2) 脊振山岳信仰遺産を廻る

2012/07/03

神埼まちあるき 《かんざきを歩こう 散策コース・マップ》

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伝説と信仰の山 脊振山

神埼まちあるき 第2弾は、脊振山をテーマに紹介します。

脊振山は、標高1055mの脊振山地の最高峰で、神埼市と福岡市の境に位置しています。山麓より望む姿は円錐形に聳える山容を持っています。現在、山頂一帯は航空自衛隊脊振山分屯基地が設けられています。

脊振山は、古くより信仰の対象とされた山で、その名の起こりについて様々な伝説が伝えられています。

  •  乙護法善神の像を馬の背に乗せて登るとき、その馬がしきりに脊を振り登ったので、脊振山と名付けられた。
  • 乙護法善神が、竜馬の背に乗り、この山の上を通過しようとしたとき、竜馬が脊を振り三度鳴いたことから脊振山と名付けた。
  • 山頂に二匹の竜が住む霊窟があり、そこから竜が出現するとき山が動き、地が震えたことより脊振り山と呼ばれた。
  • 栄西がもたらして播種された茶樹が、伐っても伐ってもまた生えてくるので、茶が天から降ってくると考えられ、一帯を茶振山と呼ばれ、これが変じて脊振山と呼ぶようになった。
  • 韓国の「ソウル」が転訛して脊振となった。

 以上のような伝説・学説があります。いずれも、脊振山信仰の歴史を伝える内容といえます。

 

また、脊振山は神埼市の中央部を流れる城原川の源流であり、田手川・嘉瀬川、さらに、福岡市の室見川・那珂川の源流となっています。

 

 脊振山岳信仰遺産を廻るコースの出発は、脊振山頂直下の脊振山分屯基地横にある駐車場です。この駐車場までは、神埼市中心部より車で約30分ほどです。

 脊振山修験を伝える石造物

航空自衛隊分屯基地前を通り過ぎ、山頂へ至る登山道を行くとすぐに、フェンス越しに石造の像が見えてきます。

 

修験道の始祖と伝えられる「役の行者」像です。元禄13年(1700)に脊振山上宮東門寺多門坊僧探元・山伏中により建立され、脊振山修験を伝えています。

基地内にあり、通常はフェンス越しの見学となります。

(許可を受けると、基地内に入ることができます。)

 

見学後、道なりに山頂へ。
80段以上の階段を登り、上宮弁財天へ向かいます。

 

 

 

肥前と筑前の国境論争勝訴を記念して建

脊振山上宮には、脊振神社の上宮となる弁財天が祀ら

れています。元は木造の堂でしたが、天和年間に肥前と

筑前の脊振山国境争論が起こります。幕府の裁定によ

り肥前国の領地であることが認められ、その国境総論の

勝訴と国境を永久に確定させるため鍋嶋綱茂により

元禄10年(1797)に弁財天堂を石造の石宝殿が建立されました。

 

上宮参道沿いには、この石宝殿に寄進された多くの石燈籠が並んでいます。
元は、52基あったようですが、約200年間風雪に耐えた28基の石燈籠が現在残されています。

鳥居と石門を抜けると、山頂に石造りの豪壮な石宝殿が建っています。

山頂より約1500mほど東南の狐谷より切り出された花崗岩で造られています。石宝殿には、石造の弁財天像が祀られ、毎年5月3・4・5日の背振神社の祭典時に公開されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 また、山頂上宮一帯は、パワースポットとしても知られています。

 360度の!?の眺望

山頂からは、南は佐賀平野と有明海・雲仙岳、北は福岡市から玄界灘、東は大宰府と宝満山さらには英彦山方面、西は唐津・天山・多良岳も望むことができます。

佐賀平野と奥に雲仙岳を望む

福岡市街地と玄界灘

手前に背振ダム、遠く朝倉から英彦山方面を望む

 

山岳信仰の歴史を伝える経塚と僧坊跡

眺望を楽しんだ後は、来た道を駐車場まで戻り、脊振山の山岳信仰を物語る遺産を散策します。

駐車場横の分屯基地内に、脊振山経塚という遺跡があります。

昭和61年に発見され、経筒は佐賀県重要文化財に指定されています。

 

※遺跡は、分屯基地内にあり見学は許可が必要です。
経筒は佐賀県立博物館に保管されています。

 

駐車場より南へ階段を約100mほど下ると、熊笹に覆われた平坦部が現れます。

ここが、脊振山上宮となる東門寺多門坊跡と伝えられています。

現在は、寺があった姿を物語るものは残されていませんが、小さな祠に石造のたにし仏(金剛像?)が祀られています。

多門坊は、この後一谷多門坊へ移っています。

 

 

再び、駐車場へ戻り、駐車場西側の谷部にある、竜の住む伝説が伝えられる「竜の池」へ向かいます。

 

駐車場西の広場の北端に現在小さな池があります。ここは、竜の池と呼ばれ、

「ここの池の底をかき混ぜると雨が降る。」、また『脊振山霊験』には

「高々と聳えたる霊岳、其頂に竜池あり。水底の石の面には金の銘を顕せり。竜宮大城に通ずる。・・」

とあり、水神として信仰されていたところです。元は、広場一帯に広がるほどの池であったよう、城原川の源流ともなっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

脊振山は、古代から始まる山岳信仰の一大拠点として栄え、山頂の上宮と中腹の吉野ヶ里町の霊仙寺と下宮となる現在の修学院からなる三山構造の霊場です。

今回のコースは、上宮一体の遺産を散策してみました。車で気軽に訪れることのでき、パワースポットとしても知られた脊振山です。

 

秋にはブナの紅葉・黄葉も見事で、冬には1m近くの雪化粧など四季折々の姿を見ることができます。

山頂までの道のりにも脊振神社や一谷多門坊跡・栄西像など、見どころもたくさんあります。

 

ジャビー機遭難の地

昭和11年(1936)11月13日にフランス人飛行家、アンドレ・ジャビー氏の操縦する飛行機が墜落した場所に現在記念碑が建てられています。

※道路脇には、説明版が設置されています。

アンドレ・ジャビー機遭難の碑

 

 一谷多門坊跡と栄西像

脊振山頂にあった東門寺多門坊は、正徳二年(1712)に一谷に移転されています。現在、多門坊歴代僧の墓地が残され、栄西禅師記念像も建立されています。

 

 

 

 

 

 

 

栄西像

多門坊歴代僧の墓所

 

 白蛇堂多門坊と脊振神社

一谷多門坊は、さらに元文五年(1740)に現在の脊振神社の地にあった白蛇神社(堂)の境内に移転しています。これが、現在の脊振神社(下宮)となっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コースマップ


より大きな地図で 脊振山まちあるき を表示

 

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